第1章 はじめに

 

奇蹟と祝福の源であるイエスの血潮の力を、聖書の解き明かしを始め、夢、幻、体験、考古学的資料、そして本当のゴルゴダの地で発見採取された二千年前の生きて働くイエスの血潮など、あらゆる角度から研究レポートしました。

 

主の真理探求に、日々熱心なクリスチャンの皆様にとって、少しでも信仰生活の益になればと願いつつ、私にとってこれら一連の働きは至難のわざでしたが、ただ祈りながら聖霊さまの力でまとめました。

どうか信仰と忍耐と御霊による優れた理解力で最後までお読みくださり、あなたご自身でこれらのレポートに対して、自由な判断をくだしてください。

 

強調したいことはイエスの血潮について、あくまで聖書だけがいのちであり、真理であり、教科書です。手にしたこの書については、ほんの参考書としてご覧ください。父・子・聖霊の神さまにすべての栄光をお帰しいたします。

 

 人間の血液とは実に不思議なもので、同じ血液型どおし輸血は出来ても、人工的に造ることも他の何かを代用することも出来ないものです。聖書では「肉のいのちは血の中にある」(レビ1711と定義します。かつてアメリカで病の原因は悪い血にあると考えられ、採血が公認の最新治療法であったため、この治療で多くの尊い命が失われました。有名人に当時の大統領ジョージ・ワシントンも風邪をひいた時、採血治療に基づきどんどん血を抜き、あとは出血多量で召天しました。聖書の言葉は真理でありはいのち」です。

 

 また、聖書は「血は語る」と教えています(創世記410、ヘブル1224)。言葉を語る存在は人間以外にもあります。父・子・聖霊の神さまは語られます。天使も語ります。悪魔もしゃべり、祭壇も神の義を語り(黙示録167、そこで流れた血も語ります。私たちが怪我をして血を流す時、その血は無言のうちに「激しく動いてはいけません。薬をぬりなさい、病院へ行きなさい」と命の危険性を語りかけます。男女が結婚後、初夜に処女のしるしを見るならば、この血は聖なる結婚契約の血、夫婦間の純潔性と愛を語りかけます。殺傷事件の裁判などで現場に残された血痕が、DNA鑑定から犯人逮捕の決め手の証拠になることもあります。血は流された性質上、報復も語りかけます。

「血に報いる方は、彼らを心に留め、貧しい者の叫びをお忘れにならない。」(詩篇912)。

    

 人類最初の殉教者アベルの血もまた、土地から神さまへ無実の死に対する報復を叫んでいました(創世記410)。イエスさまは義人アベルの血からこのかた、神殿と祭壇との間で殺されたバラキヤの子ゼカリヤの血に至るまで、地上で流されたすべての正しい血には報復があることを教えられました(マタイ235)。

 

ヘブル1124節ではイエスさまの十字架で流された正義の血潮について「アベルの血よりもすぐれたことを語る注ぎかけの血である」と記されています。